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【第四章~豹変~】モテワンコンテストとタケダという女






【第三章~誘い~】モテワンコンテストとタケダという女





私が幕張メッセで見た異様な光景…。

それは、見ていて不安になるほどの、

ハイテンションなお客たちの姿であったー。



モテワンコンテストのあとも、頻繁に会っていた私とタケダ。

だが、私の「ある一言」で、彼女は真の姿を現すこととなる。



セミナーで見る光景





今と変わらず、当時から私は陰キャ地味女なので。

お客のオーバーリアクションのノリについていけなかった。





でも。

あのノリこそが、マルチ商法のセミナーで見る光景なのだろう。

大げさ、オーバーリアクションゆえの不気味さ。



終盤





オーバーリアクションのノリについていけない私は、

正直、帰りたい気持ちが強くなっていた。



でも、チケット代の15,000円を払ったから。





せっかくなので楽しもう!と頑張った。

そしてイベントは終盤に差し掛かった。



洋服

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イベントが終盤に差し掛かったとき。

会場のスクリーンに関連企業?なのかな。

いろいろな会社の広告が流れた。





あるアパレル企業の広告を見たタケダは、

「あ!私、洋服ここで買ってる~」と言った。





その話を聞いた私は、

オシャレな人は洋服を買う場所も違うんだなぁと思ったけれど。



マルチ商法会員って、まさか商品を買うだけじゃなくて、

洋服も指定のところで買わされているのか?



何も





そうして、イベントは無事終了。

帰り際に、来年も開催されるというお知らせを聞いた私たちは。





「来年またこようね~」なんて言いながら、会場を後にして。

長い長い道のりを経て、幕張メッセから帰宅。



その後もタケダとは頻繁に会っていた。

連絡はすべて私からであったが。





もちろん行くのは相席屋。



以前とは何も変わってはいなかった。

そう。

何もー。










いつもと変わらずにタケダと相席屋へ行った時のこと。

私は相席になった男性に「モテワンコンテスト」のことを話した。

タケダと一緒に行った、楽しかったよねと。





そのとき。

彼女の顔がこわばったのを、私は見逃さなかった。



可哀想





そして、タケダと縁が切れることとなった日。

タケダとどこかに行くとなれば、必ず相席屋だった。



だがその日は珍しく、

2人で話し合った結果、普通の居酒屋へ飲みに行くことに。





タケダとは相席屋と変わらず、

近況報告や仕事の話をした。



私がどんな話だったか忘れてしまったのだが、

「可哀想」という言葉を口にしたときがあった。



その「可哀想」という言葉を聞いた瞬間。





タケダは「刹那ちゃん!?言霊って分かる?

可哀想って言葉は使うものではない。

マイナスな言葉だから。





そんなマイナスな言葉ばかり使っていたら、

可哀想って言ったら、自分が可哀想になる」と。



いきなり何かに取り憑かれたように大声を出し、

顔が般若のように豹変した。



彼女の身に

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タケダは今まではニコニコとしてて、穏やかな性格だった。

なのに…。

彼女の身に一体何が起きたのか?





マイナスな言葉はよくないのは分かる。

でも、普通に生きてて、

可哀想って言わない人ってこの世にいるのか?



何の気兼ねなしに出た言葉だけど。

般若の顔になるほど怒ることか?



説教





タケダの怒りは収まらない。

何を言われたか忘れたけれど、

私はその居酒屋で永遠に説教を食らったのを覚えている。





あれはダメ~これはダメ~からはじまり。



そうだ!

「食べ物の好き嫌いをすることは、人の好き嫌いをするのと同じ。

何事も好き嫌いをするのはよくない」





さらに、

何か話すのであればプラスになることを言うように。

プラスになることを言えば毎日が楽しくなる。





いつも自分は輝いていたいでしょ?みたいなことを彼女は語っていた。



指摘





タケダとはじめて食事に行ったとき。

好き嫌いについては少し話題に上がっていた。



私は食べ物の好き嫌いが多い。





そのことをタケダに指摘されていて。

食べ物と同じく、人の好き嫌いも多くなるから直した方がいいと。



そして今回、この話題が再度出たことにより、

タケダは真の姿を現すこととなる。



尊敬してる人





「好き嫌いの話、前にも出たよね?」

私はタケダに聞いた。



彼女は得意げに答えた。





「私も昔は好き嫌いがいっぱいあった。

でもね、直したの。





尊敬してる人に出会ったことで。

その人に注意されたから」






私は息を呑んだ。

「尊敬してる人」






タケダの豹変…。

まさか。







落ち着いて話を聞いている風に装っているものの。

心臓の鼓動は早い。



嘘だよね。

嘘って言ってよ。





友達だと思ってたのに。






「私はマルチ商法が大嫌い。タケダはやっている?」

マルチ商法なんてやってないって言ったよね?

「本当だよ~信じてよ、私が嘘なんてつくと思う?」



続く



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