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投資用マンションの勧誘を受けた男の話Ⅲ






本来の姿を現した業者ー。

果たしてOさんの運命は。




▼過去記事▼

投資用マンションの勧誘を受けた男の話Ⅰ

投資用マンションの勧誘を受けた男の話Ⅱ



豹変





Oさんは息を呑んだ。

今までのフレンドリーさはどこへ?



しかも相手の声のトーンが低い…。

Oさんが「ちょっと待ってください」と伝えたときの業者の返事。

「はぁ?」



人が変わったといってもおかしくない。





「ここまで話を聞いといてふざけてんのか?どういうことだ」

「俺たちは何度も茨城県まで足を運んでいるのに、いまさらなんだと?」




1回目の顔合わせで名刺をもらっていたOさん。





会社の住所は東京であった。

なので業者の人たちが3回も東京から茨城県に来ていたのは、間違いないであろう。



ある考えが頭をよぎる





業者はOさんに詰め寄る。

相手は40過ぎのおっさんとはいえ。

当時30代のOさんからすれば年齢は上の人たちだ。





さらには、いつも2人で来ていたおっさん達だったが。

見るからに上下関係があったそうで。

時々2人の間になんとも言えない不穏な空気が流れていたとのこと。



そんなギスギスモードのおっさん2人に囲まれたOさん。





「このままでは帰れない。

ならば内見だけでも行けば、解放されるかも」という思いが、頭をよぎった。



行ったら最後

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「ならば内見だけでも…」と言葉を発しようとした瞬間。

Oさんはこの結末が見えたという。





そう。

これこそが、この業者の思惑だ。



内見に行ったら最後。

契約をするまで帰れない。





もしも内見に行って、このおっさん2人だけではなく、

他の人が出てきたらどうなるのか?





おっさん2人だけでもこの威圧感。

果たして断ることができるのだろうか。



断れた理由





結果として。

Oさんはどうなったのかというと。

無事にこの話はお断り出来たのだそう。



その理由は。

Oさんの奥さんが謎の下血をしたから。





当時、Oさんの奥さんは、本当に謎の下血をしていた時期があった。

未だに原因は不明らしいのだが。



なのでOさんは、

「妻の具合が悪く手術をすることになっている。

マンションは本当に魅力的だし、話を聞いていた当時は買おうと思っていた。





でも、状況が状況だから、欲しいのは山々だけど、買うに買えない。

妻の手術で大金がかかるから」と、業者に伝えたのだそう。





奥さんは手術しないで快復されたみたいなので一安心。



でも、この状況であったからこそ、

Oさんは投資用マンションの勧誘を断れたといいます。



内見に行っていた





態度が豹変した男2人を前に。

断れない状態まで追い詰められたら。

普通の人ならば、頭がパニックになってしまう。





そしてOさんのように、

「このままでは帰れない。

ならば内見だけでも行けば、解放されるかも」という思いから。

内見に行ってしまう人がほとんどではないだろうか。





だがOさんは、内見に行くことを直前で踏みとどまった。

「妻の下血」という理由で断る方法を思い付いたから。

Oさんは「妻の下血」がなかったら、内見に行っていただろうと話す。



その後





妻の下血により手術。

この話を聞き、業者は納得がいかないようだったが。

なんとか、投資用マンションの勧誘を断ることができたOさん。





無事に業者から逃れられ、帰ることもできたという。



それ以降もOさんの携帯電話には業者からの着信が続いた。

はじめは会社を通してだったものの、

1回目の顔合わせで個人の連絡先は交換済。





だがOさんは拒否をして電話に出ることはなかった。



Oさんが紹介された投資用マンションの真実

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最後に。

Oさんが紹介された北千住の投資用マンション。



  • Oさんが勧誘を受けたのは15・6年前
  • 北千住


この2つ。

何か思い付くことものはないだろうか。










引用元:Wikipedia



今から約10年ほど前に完成した東京スカイツリー。



2008年7月14日に着工され、3年半の期間をかけて2012年2月29日に竣工した。
2012年5月に展望台として開業し、2011年12月から2013年5月にかけて放送局の試験放送ならびに本放送を実施する計画であった。

引用元:Wikipedia


そう。

スカイツリーの存在である。



スカイツリーが出来たことで、

北千住の地価が上昇したことがあった。





Oさんが北千住のマンションを紹介された頃は、

まだスカイツリーが出来るという話は出ていなかったそうだけれど。



あの時、Oさんが北千住のマンションを買っていたら…。

「地価が上がって、今頃お金持ちになっていたかも」と、彼は笑っていた。



もう元の世界には戻れない





当時、今後スカイツリーが出来て、

北千住の地価が上昇するかもしれないというのを、

業者が知っていたのかどうかは分からない。



もし知っていたのであれば。

業者は本当に儲かる物件をOさんに紹介していたのかも。





なんてことをOさんは話していたけれど。



私は彼らの豹変具合からして、いい業者だとは思わなかった。

しかも、私は投資用マンションの勧誘を受けたことがないから。

「行ったら最後」という言葉に身が震えた。





なんだかマルチ商法の勧誘みたいだと。

マルチ商法の勧誘も「行ったら最後」と言われている。

誘われたアパートの一室に行ったところで。





「契約書にサインをするまで帰れない」

なんてことがあるらしいから。



それと、最後のOさんの言葉が、今でも印象深く残っている。

「投資用マンションの話は面白半分で聞くものではない」








不動産だってマルチ商法だってそうだ。

大金が絡むからこそ。





手を付けてしまったら。

後戻りすることは簡単ではない。






「行ったら最後」





もうこの世界にも戻って来ることも。

不可能になるのかもしれない…。











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