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私が婚活界のさそり座の女と化した理由~第三章「過去」~






私が婚活界のさそり座の女と化した理由~第二章「転職エージェント」~はこちらから






選考に進んだ1社。

最終的には私に「圧迫面接」をしてきた企業だ。



地獄の圧迫面接までのカウントダウンがはじまっていくー。



圧迫面接をしてきた企業





私に「圧迫面接」をしてきたのは、築地に本社がある、昭和28年に設立された老舗企業だ。

(飲食店ではありません。菓子などの製造販売などを行っている企業です。)



ザキヤマから登録会のときに企業情報については聞いており、

特におかしなところはなかったものの、

今思うと、社員の募集要項がとんでもないものだったのだ。



募集要項





この企業の社員の募集要項。



まず、男女ともに年齢は35歳まで。だったはず。

次に、見た目がいい人。

男性はイケメンに限る。

女性は結婚予定のない人。



こんな内容を堂々と。

しかも、これを笑いながら話すザキヤマ。





この時点で、もうヤバイですよね…。



こんなこと、普通なら、はじめて登録会に来た人には言わないだろう。

当時の私は腰が痛いのもあり、そんなに深く物事を考えられる余裕もなかったのだが…。

相当ヤバイ言葉の数々だ。



結婚ハラスメント

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この企業の募集要項の1つ。

「女性は結婚予定のない人」



ザキヤマは私に聞いてきた。



「募集要項はこんな感じです。ところで、結婚のご予定は?」

「ないです」

「え~?彼氏いないんですか?」

「一応、いますけど、別れそうなんですね」

「え!ぇ!え!ぇ!なんでですか?なんで別れちゃうんですか?」

「いや、いろいろあって」



当時、私は本当に別れそうな彼氏がいた。

その人とは音信不通になって結局別れたのだが。





でも、まだ若干「彼氏」という存在であったから、一応いるとは答えた。



するとザキヤマ。



「えぇぇぇ!なんで結婚しないんですか?結婚すればいいじゃないですか!」



そんなのこっちの好き勝手だろうと思った。



過去





それと同時に。

ザキヤマのこの言葉に悲しみが湧いてきた。






私はこの時、母が病気で入院をしていた。

もう治らない病気。






そう。

癌だ。



数ある癌の中でも一番厄介だといわれている膵臓癌。

手術不可のステージ4。






私は母子家庭の一人っ子。

3歳の時、父が癌で他界した。



それ以来、女手一つで母は私を育ててくれた。

まだ「女性」という立場が弱かった時代。

母は相当苦労して私のことを育ててくれたと思う。





それと、私は「極小未熟児」という、1500g以下で生まれた低出生体重児だった。

低出生体重児とは、小さく生まれた赤ちゃんのことだ。


出生時の体重が1500グラム未満の低出生体重児。極小未熟児。

引用元:コトバンク

だから、普通に育てるだけでも大変だったろうに。





昔は散々母に迷惑をかけた。



母子家庭ってだけで。

お父さんがいないだけで。

体が小さいってだけで。



なんで、なんで。





生まれてこなきゃよかったって。



母に八つ当たりした。



でも、母は私をここまで育ててくれてた。



だから。

最期はそばにいたい。



私の中で、たった1人のという存在。





離れて暮らしていたからこそ、母の具合が悪いときくらい、こんな風に思っちゃいけないのかな…。






そんな状況だったから、

この時の私は「結婚」「彼氏」よりも「母」の存在が大きかった。



35歳にして、「母」って。

何言ってるんだよと思われるかもしれない。



結婚マウントを取りたいだけだろう





ザキヤマの言葉を聞いたとき。



母への思いと、前職のことで揉めていたこともあってか。

多分、感情が爆発してしまったのだろう。






私は涙ぐんでしまった。






ザキヤマは私に聞いてきた。



「どうしたんですか?」



私は答えた。



母への思い。

今は「結婚」「彼氏」は考えていないと。



ザキヤマは答えた。





「えぇぇぇ?

お母様が具合悪いのなんて、結婚するしないに関係ないですよね?

お母様が具合悪くても結婚すればいいじゃないですか。

それとこれとは話は別ですよね」




私はここで、ザキヤマは何も問題がない家庭で育ってきたんだろうなと思った。

両親が元気で。

兄弟もいて。

何かあったらすぐ助けてくれる人がいる。

そんな環境。

だからこそ、こんなことを普通に言えるのだろうと。



それと同時に、何だこの女と思った。





物事の優先順位は人それぞれ。

それなのに何が悪い。



多分この女は、「35歳で独身」という私に結婚マウントを取りたいだけだろう…とも感じた。



選考を断ろうか悩んだ





このとき、私は選考の話を断ろうとした。

だがザキヤマは、マルチ商法の勧誘並みにベラベラと話す話す。

そんなにしゃべって喉が渇かないのだろうか?と思うほど。



もう。

帰ってしまおうかと思ったのだが、なんせ腰が痛いし体が動かない。





でも、これから就職をする際に、

もしかしたらこの転職エージェントにお世話になるかもしれないという気持ちもあったため、

我慢して選考を進めてもらうことにした。









このときの私は。

地獄の圧迫面接の日が目の前に迫っているとも知らずにー。






~第四章「築地の老舗企業」~へと続く



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